僕らは太いベルトを巻いている
07/10.お写真.お追記


昔読んだ本をその当時の自分には『いい話だな。』程度に纏めていた、それを何となく電子書籍で気になるもんはないか、と当て所もなく彷徨ったところ懐かしい表紙に引き寄せられ再び興味を持った。
その本は果たして今も紙媒体として残していたか、とふと脳裏を過ったが紙媒体で買った以上のことは思い出せず、例え残していたとしてどこの箱に入れたかも覚えていない状態で漁る気にもなれなかったもので、おまけに電子書籍では割引もされてたもんですから気を取られるままに購入を果たして読み返した。ら、ボロクソに泣いてしまった。昔読んだ時、果たして私は涙を流していたんだろうか。

どうだろう、今だから胸に刺さる何かがあるのかもしれない。


最近、昔死にたかった日々を思い出す、あの時死ねてればと思う日が続く。それでも自殺の仕方がわからない私は未だにこうして──……。
自殺のやり方は知ってるけども、どう自分が自殺出来るのかその仕方がわからない。未だに仕方がわからない私は図々しくもだらけながら四だの五だのと文句を垂れつつ生きていなければならない。

ちょっと最近の世間の話題からしたら不適切な発言に思われるかもしれないが、私は私で生きてるだけで辛いんだよ。とはね、私の中に纏わるものの一環として小さな事柄だけど話題として出しておこうかと、くらいで。公にこうだと主張したい程ではないとは思うんだけど、もしかしたら主張したいのかもしれない。殆ど見る人がいない此処でだけ吠えていたいのやもしれない。遠吠えをする負け犬の如く、遠くで自分は此処にいるんだと主張するばかり。まあ、私は狼の遠吠え好きですけど。
とは言え、こう主張をしてはいるものの多くの人が私よりも長く大いに生きて足許にある幸せを踏み締めながら「ああ、これが幸せか」と気付くこともなくただ只管に『日常に潜む幸福』を風に感じてて欲しいと思うくらいには心は荒んでいても善意は常に残っている。
それでも『私が代わりに死ねてれば』なんて陳腐な言葉は到底言えそうにない、私は痛いのも辛いのも苦しいのも嫌いだ。一瞬の痛み、は信じない。その時の一瞬は永遠だからね。

痛いのも辛いのも苦しいのも嫌いだけど私の寿命なんかでいいならバカスカあげるし是非とも使って欲しい。それくらいしかあげられるものがないから、しかしその代わりの対価はくれよ。世界が終わる日が私の終わる時が、わかればいいのに。知ってしまえたら辛いけど楽なのに。それくらい後に引けなくなったなら全力で人を愛して無様に人に愛されるように縋るのに。
ババアの時にはきっとひとりぼっちで死ぬ、くらいのことは何となーくざっくーりとわかるのにそれが自分の性分なんだろう、くらいには思えるのにその間の過程がどうなっているのか未だにわからない。それまでにどれだけの人と会話をしてどれだけの人とキスをしてどれだけの人とセックスをしてどれだけの人と関係を断つのだろう。

どうやって手を繋いで肩を寄せ合ってどんなデートをするのか。デートと言えば随分前にネズミの国のテーマパークに行ったことはあるけども、本当は私は定番と言われる遊園地に行ってみたかった。昔の映画で観るような、デパートの屋上にあった家族で来るようなそんな遊園地に行ってみたかったのだ。
観覧車は大人になって一度だけ乗ったことがある、いや、花やしきの小さな観覧車を入れれば二度になる。小さな観覧車は友人に「乗りたい!」と言って付き合ってもらったもので、ものの数分で終わってしまうような本当に小さな観覧車だったけど乗れたことが嬉しかった。初めて大きな観覧車に乗った時は妹様と一緒に乗った、ふたりして大きな観覧車に乗ったことがなかったから「乗りたいね!」「乗れるね!」とはしゃいでいたのを覚えている。ぶっちゃけ殆ど曇りガラスみたいで外の景色なんか楽しめたもんじゃなかったが、これもまた乗れたことが嬉しかった。あと観覧車はもしかすると夜より昼間に乗った方が景色がよく見えていいのかもしれない。夜乗ったからと言って星が見える訳でも夕暮れがロマンチックー。となる訳でもなかったので。

夕暮れは地に足をつけて見る方が美しい、と思う。

どんなに死にたいと思う日々でも多分本当に終わる時には後悔だけが残るんだと思う、何時になっても幾つになっても。未練だけを残して、誰かにそれに触れて欲しいと願いながら…少し誤解を招いたかと思うけど、今の私は別に自殺を強く望んでる訳じゃあない。そうじゃなくて、あの頃のそれを強く望んだ日がそれに強く臨めなかった日が、恋しく虚しいだけ。今は。

あの頃の私の心はあの時の私が持っている唯一の特権だったから、今の私はあの頃の私が少し恋しく羨ましく思っているだけ。そうして多分、あの頃の私が今の私を知ったら「やっぱりお前はクズだったな」と嘲笑しながら今の生活が羨ましく見える部分もあるのだろう。

そうだよ、昔の私よ。
多少なりとも健康に気を使うようにはなったけど、今の私は布団も敷かず床で寝ることが殆どだよ。



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