排球:松川
12/29 14:21
寒い外に出るのが億劫で
こたつに潜り込んでみかんを食べる
これこそ日本の冬だと意味のわからないことを考えながらテレビを眺める
ピンポーン
軽い呼出音に顔をしかめる
誰か出るだろうとのんきに考えたが今は家に一人だったことを思い出しため息をついた。
温かいこたつから抜け出してインターホンのカメラを見に行くと見知った人が立っている
「鍵空いてるから、どーぞ」
そう呼びかけるとカメラの向こうのその人はちらりとこっちを見て中に入ってくる。
「あー、さむ」
私がこたつに潜り込む頃に入ってきたのは幼馴染で彼氏の一静だった
コートを脱ぎながら隣に座ってくるがまとっている空気が冷たくぶるりと体を震わせる
「てか鍵かけなさい。危ない」
「お母さんに言ってよ。てか空気さむい」
「外にいましたからー」
ぎゅーぎゅーと強く抱きしめてくるものいつもは暖かくて心地よいから大好きなんだけど
今日の彼はなんせ冷たい。
冷えた服が頬に触れてぞくぞくする。
「一静冷たいよ」
「いつも温めてあげるんだからたまには温めてもらわないと」
「うぐ」
仕方ないなとされるがままに抱きしてまれている
寒いし冷たいけどやっぱり彼に抱きしめられるのは嫌いじゃないなと思う自分になんとなく笑えてしまった
冬
(寒いのも君とならいいかなって)