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九月の一



例えば謳う言葉のそれすら魔法だって
疑うこともしないいつかの自分が居て
それは煌めくような素敵なものだから
キラリと光るままこころに閉じ込めた

共有できる記憶を辿って探したものは
あの時の焦燥もそのままに飛び出して
今更と嘆く気持ち遠く追い越してまた
滲むネオンライトに目を輝かせている

変わらずそこに在る彼や君や私たちが
否定しない距離を保ってゆるく漂って
変わる事を強要される世界に疲弊した
暗い目をしたわたしに手を差し伸べる

君だけは許して変われないわたしの事
切捨てられたなんて自虐もしないから
いままでどおりに変わらず生きるため
泣いてなんかないよって苦笑いするの

諦める事を許容し続けるのならわたし
いらないなんて吐き捨てたけどせめて
君の言う音楽が限りなく続くようにと
願ったりするんだ神様じゃないけれど










10月28日に新宿に居なかった事を、この先も後悔し続けるのだと思います。
今年も年末は不在です。残念。

七月の十九

波形も解らぬ餓鬼の戯言、きみが聴いてくれるのなら。
感覚器官でもって、手をつないで、くれませんか。



きっとまばたきするのを忘れたのだ。

浸水してもんやりとし始めた視界に引きずり込まれながらも視線を向けるのは止めず、ネオンライトに少しずつ浸食してゆく様を見ていた。

一面の水色は湛えたまま。
変わらないねなんて笑うのだ。


此処から見える彼等はいつも白く、黒く、そして赤い。
肘を曲げた腕を見る。
ちろりと動く目線を瞠(みは)る。
不意に合わせた指先を追う。

変わらない事に安堵するのか、もうしているのか、きっと君等には分かるまいよ。指差す其れ追う我々など。あぁそうね。見えてすらいない事を自覚すべきだ。

好きじゃないと、新宿は遠いよ。



突如切り込むビラの白色に目を見開くより早く、次々に投げ込まれ。
餌を撒くように波打つフロアに容赦無く叩きつけた。
緩い語感に弾む肩はそのまま、半分置いてきぼりになった思考を再接続する。


急速に引き戻され。
ネオンライトとビロウドの影が高揚の背をなぞる。
夜の空気、硝子色。
…それから、

いつもそうだ。固定されたこのフロアから、この視界から、海風に身を靡く彼の逢瀬を見ている。
目線を、逸らして向こう、広がる海岸線から夜明けの色が滲む。
迫る明日を分かつ彼を、波打った視界で見続けて。変わらぬ光景に何度目かの陽が登る。
さぁ此処、泡となり消えてゆくその刹那、身を溶かす事をどうかきみ、ゆるしてください。


急速に流れの早くなる一分一秒に瞳を伏せ、消化されてゆく時間に浅ましくも手を伸ばした。
触れる事も叶わず、指先から灼けてゆく。


それでも、それでも。
もう一度逢いたいななんて。

もう一度、逢いたいな、なんて。















年末は行けないので残念です。

十二月の二六





373を叩き潰して歩いた冬の空気は、
一見何事も変わらずに過ぎる新宿のソレとして青く。

奏でる言葉だけ選び口の中で転がす事で、舌先の痺れを宥めつつ、辿るは去年の一番線を東へ一直線。


喧騒、歓声の波をくぐってさあさ本日もお立ち合い。
遙か前方御覧あそばしアヲハル纏うは赤と黒。

挨拶は右手、ほら御一緒に。


つるりと滑る今は聴き慣れた音階の隙間、落ち掛けるわたしに手を伸べる影はいつだって、いつだって。


跳ねる肩抑えては紡ぐ過去に寄り添うよう。
くずおれそうを叱咤で持ち直し、目を凝らす兎のよう。

いつだってここから、彼の逢瀬を見ている。



空気が抜けるように萎縮する自我のような何かが、混乱を引き起こして、自衛する手段だけを握り締めている。


また、この場所から、繰り返し。









今更ですが。
短いけれど記憶的に直しようが無かったので。

戦う電音部



ver.1


白くもやがかかるこの空間は一つ一つ全て彼の音なのだろう。

直線上に居るであろう姿を探せども、どこまでも続く霧に視線が捕られる。だが、確実に此方に向かい飛ぶ気配を感じた左の念珠が、震えるように歯を鳴らした。

途端、前方から、雨。
ばらんばらんと飛んでくる0と1を寸前ですり抜けて旋回、螺旋を描くも先回れない。
しなりを効かせた赤青コードが絡め捕らんと幾重にも此方へ腕を伸ばし、的確に退路を奪ってゆく。
退く気なんて無い、地面を踏み締め跳躍、更に上昇。
星の形の8bit 2機の林檎で制御して、薄青の波をエレアコで迎え撃つ。
ギリギリまで抑えたビットレート全て解放。
弾いた音少しだけ歪ませ右クリック、
視覚効果発動、16連打!

煌めく流星群が全てを押し戻す。


霞がかった空気を切り裂くと、テルミンに手をかざした彼が、少しだけ目を見開いた。


好機を逃すまいと叩き込んだのは必殺技(とっておき)。
コントローラ握り締め畳み掛ける。

そのゴーグルでどこまで見極められるかな、
テノリオンなら臨むとこ!















小林さんは機動力重視、戸田さんはフィールドを構えるイメージで如何でしょ。
テルミン、ありましたよね?
モジュラのコードは赤と青じゃなかったやもしらん。
おいおい加筆します。




君一人、未来に逃げるだなんて許さない。


十二月の十八

ゲーバンギャルド






灰色の雑踏切り刻むように、制服の彼女たちが駆けてゆく。
今宵は格別、世界は虹色。
はやる想いは白霧に溶けてゆらり、変わらず集うは見知った影ひとつ、ふたつ、みっつ。

唄うは特別、咽ぶ影。
爛々と光踊らせながら進めた左脚。
黒いビロウドから覗く白が鮮やかに主張。
跪き見上げる彼彼女等の視線透過して、


歌姫、御来光。


誰彼の息を呑む音粒子に掻き消され、絶叫を持って威圧さる如く強く響く。
水面に溶ける都会の灯りを撫でるよう、海風に髪を揺らして尚鮮明。

嗚呼、きみなら見えるだろうか。
遙か見上げた視線の水膜に貼り付いた思い出の軌跡が。
堪え俯いた顔に掛かる陰りの焦燥が。



瞳細めて一瞥、背を向けた彼へ喝采。

せめて忘れないよう。


サイレンの音に、また逢えるよう。








あれから一年なんて。
早い。
26日すごく楽しみです。


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