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捕まえてよ、両手でね

話題:恋人との電話

将来と言う漠然としたものを考える時に、仕事や経済的なことは欠かせなくて、だけど、同じくらいに色恋事情も関係してくる。結局のところ、密接な繋がりがあって、どちらもあって、初めて成立するような。

例えば、仕事での将来は、スキルアップや信頼関係の築き。これは、毎日の中で、着実に進めている。

恋愛は、好きな人が出来たり、交際したり、結婚したり。今のあたしは、交際の辺りで、あの子か紙くんか揺れ動くばかり。まあ、圧倒的にあの子に傾いているけども。紙くんとは、2年くらい会っていないし、連絡を取り出したのも今年に入ってからだしね。それに、元恋人。話も他愛のないことばかり、挨拶が多い。溝は、時間をかけないと埋まらない。わかっているけど、思うように進まないので恋愛と言うものとはかけ離れて、現実味がない。

前置きは、これくらいにして、そんな状態で、あの子は色々としないといけないことが多くて、あたしとの将来よりも先ずは、自分の将来を確立させなくてはならない。それは、あたしもわかっていて、もちろん、それを優先して欲しい。だけど、あまりにも放置は厭なのである。少しは、嘘でもいいから、将来的な話をして、希望を持たせて欲しい。それをあたしから言うのではなくて、自分で気づいて欲しい。あたしから言うので喧嘩になる。彼から言えないのは、それが、自分でも感じている落ち目だからだろう。だから、なおさら、あたしに言わせないで欲しい。察して欲しい。安心を与えないのに、不安になるお前が悪いと言われ手も困る。

そのことを伝えた電話だった。今日、会うのも迷っていた。もはや、かろうじて付き合っているのもやめてしまおうと思った。だけど、切れなかった。繋がり続けた。

不思議なもので、彼は、どんなに怒ってもあたしから離れない。離れられないようだ。

「ずっと、ふたりで居たいよ」

その言葉を聞きたかった。簡単ではないか、安心させてよ。

重いなら、重いと思われないようになれ。弱いなら、弱いと思われないようになれ。そんな風に言われても意味はわからないし。それは、解決でも答えでもなんでもない。ただの、自分の都合だ。

それでも、あたしたちは、将来に怯えながら微かな希望や可能性を信じて、繋がり続ける。

天気のいい土曜の朝。心も晴れやか。
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