待合室に戻り、
安堵からかポロリと涙する

「どうしたの
「嬉しかったの、
赤ちゃんが元気だった」

医師が説明してくれた内容を
と復唱しながら振り返る

「それで…どうしたい?」
、産みたい…」
「そうだね…検査はどうする?」

珍しくのほうから
核心に迫ってくれる。

「検査…しなくてもいいかな、
いつまでも気にするのツライし
赤ちゃん…元気だったから。
でも、◯◯()が、
やった方がいいってならするよ?」

「俺もしなくていいかなって思う。
先生があそこまでいってくれてるし
リスクの方が大きいしね」

「よかった。ずっとしようって
最初から決めてたから、、
がしないって言ったら、
どう思うかなって気にしてた」

「気になる所見がいくつもあるなら
調べるべきかなって思うけど
1つも無いって言われたら
あえてリスクをおかしてまで
する必要なんてないね」

うれしかった。
何がって、と同じ思いで
いられたことが。

そして、自信をもって
この子を産もうって思っていいんだって。
の手を握ってまた涙する


もしかしたら赤ちゃんを
諦めなければいけないかもしれない
そう思うと妊娠おめでとうと言われても
素直に喜ぶ事が出来なかったし

マタニティグッズを購入しようにも
なんかひっかかるものがあった

場合によっては愛おしい我が子を、
諦めなければならない日が
もしかしたらくるのかもしれない
それが怖くて今日をどれだけ
恐れていたか。

ずっと検査の結果だけを恐れていたのに
いつしか我が子を失うかもしれない
そっちのほうが怖くて

もう、それに、
耐えられなくなるほどに
この子を愛してしまってるんだって
自分たちの親心にも気づく。


「やっと出来た子だからこそ
ちゃんと健康な子であって欲しいって
当初は漠然と思ってたけど、、
いざお腹の中の子の成長を
こうして目の当たりに見てると
その命を奪うなんて出来ないなって」

「検査をしないことによって
もちろん心配はあるけど、
でもそれでも2人のもとにきてくれた
この子をちゃんと信じて
迎えてあげたいと思う」



確定診断は受けない



そう決めると、
それはそれで気持ち的には
すごくスッキリして、

あとは産まれてきてくれる事だけを
楽しみにしてればいいんだって
胸の中のもやもやが
消えていくような気がした

、覚悟を決めるよ。
どんな子だってやっと来てくれた
二人の赤ちゃんだから
温かく迎えてあげたいと思う


この子を産んでいいんだ。
産んであげられるんだ
子供を産むイメージなんて
まったく出来なかったのに
なにこの幸福感。

やっと子供ができたことを
心から喜ぶことができる

ようやく、
楽しいマタニティライフを
おくれそうな予感

2人で少しずつ、
親になっていこうと思います。