話題:今日見た夢
なんか変な時間帯になっちゃったけど、書いておく。日常編みたいになってきたな…。



2つの組織が合併・再編し新体制となり、本部・後方支援班のチーフに抜擢された鼎。

鼎は桐谷と共に群馬県某町のゼノクへ向かっている最中。しばらくすると巨大な研究機関と複合施設が見えてきた。ゼノクだ。
ゼノク到着後、メイン施設へ入館するがセキュリティが以前よりも強化されている。


メイン施設ロビーに来たのは西澤と二階堂。

「鼎さん・桐谷さんあれからなんだか久しぶりですね」
二階堂が簡単に挨拶する。

「セキュリティ、いつから強化されたんだ」
鼎の問いに西澤が答える。


「紀柳院、ゼノクは2回幹部クラス以上の怪人に襲撃された上に館内にも1度侵入されたからね。入館に関しては隊員であってもセキュリティを強化したんだ。隊員証と指紋認識・顔認証がないと入れない。紀柳院の場合はその仮面姿で登録してあるからすんなり行けたでしょ」
「あ、あぁ…」
鼎はどこか困惑気味。

「西澤室長、鼎さん少し困惑してますよ。顔認証に慣れてないのもあるのかもしれません。隊員証を基準に登録してあるんです」
「紀柳院…すまなかった」
西澤謝る。
「そうならそうと、初めから言えば良かったのに」


二階堂は気を取り直す。

「ま…まぁ、明日の『仮面の会』私も桐谷さん同様、鼎さんをサポートしますので。新生ゼルフェノア後方支援班・初任務…というか初仕事をです。本当は『チーフ』と呼ばれるの…嫌なんですよね…?」
「どうも慣れなくてな…。いつも通りにして貰いたい」
「わかりました。ではそれを至急本部や支部にも伝えますので。私は組織の連絡係も兼ねているんです。ゼノク隊員も平和になって出動なくなったから、今はゼノク隊員もゼノク職員としてここにいますよ」
「二階堂は生き生きしてるな…。吹っ切れたのか?」

二階堂は自分の義手を見ながら言う。
「長官亡き今、私のような義手義足で戦う隊員は私だけになりましたからね。義手の装備は救助で役立っていますよ」
「二階堂は自分の道を見つけたんだな」

「鼎さんも2度と戦えない身体とは言いますが、発動が使えなくなったんですよね…」
「発動はもう『2度と』使えない。使おうものなら待つのは死だ」
「対の刀…あれ、今どうしてるんでしょうか…」


本部・司令室。宇崎は鼎の対の刀をどうするか悩んでいた。鼎は2度と発動が使えない身体になってしまった…。無理やり使えば死は免れない。
対の刀を封印すべきか…?いや待てよ。対の刀を使える者は御堂もいる。あいつに預けようか…。

「用ってなんなんだよ、室長」
御堂が司令室に来た。
「鼎の対の刀…預かってくれるかな?お前なら対の刀使えるし、鼎も安心だろ?…今頃ゼノクに着いたから連絡してやんなよ。鼎はブレードがあれば戦える」
「鼎のやつ、緊張してるかもな」


一方、ゼノク。鼎と二階堂はすっかり打ち解けていた。

「鼎さん・桐谷さん。組織用宿泊スペースで泊まっていって下さい。既にゼノク入りした例の被害者も来ています。明日は私達もいますから無理しないで」
「二階堂にはわかるのか…?」

「顔が見えなくてもわかりますよ。ゼノク治療スーツの入居者はあれから減りましたが、事情があってゼノクから離れられない人もいますからね。入居者ののっぺらマスク姿を見慣れているせいか、鼎さんのような仮面は表情があるように見えるんです」
「『仮面の会』…成功させたいな」
「バックアップは任せて下さいよ」
「桐谷まで…」
「私(わたくし)は室長から指名されましたからね。鼎さんの移動中の話し相手・相談相手になってくれ、サポートしてくれと。今までだってそうでしたでしょう」

「そうだな…」


夜。御堂から電話が来た。

「あ。もしもし鼎?俺だよ」
「和希か?」
「対の刀は俺が預かることになったから気にすんな。お前はお前がやれることをやればいい。明日の『仮面の会』…怪人由来の被害者に寄り添ってあげろよな。話を聞くだけでもいいんだぞ。鼎も被害者なわけだし?鼎の活躍はそんな被害者の光になっていることを忘れるな」
「和希…」

光か…。鼎は静かに電話を切った。


翌日。本部・後方支援班。高槻達は鼎不在の部屋で心配そうにしている。

「鼎さんは大丈夫でしょうか…」
不安そうな高槻に彩音がいつも通りに答える。

「鼎は大丈夫だよ。ああ見えて本番に強いから。鼎はむしろ、自分と似たような仲間がいてホッとしてるかもね。同じ怪人由来の被害者という意味ではさ…」
「被害者が隊員になるパターンって珍しいですよね」

「ゼノク隊員はそうでもないって聞いたよ。入居者からそのまま素質を見抜かれて→隊員になる人もちらほらいる。入居者→職員→隊員パターンも稀にいるって。柚希ちゃんと二階堂さんはその入居者→隊員の典型例。リーダー(真治)だって、組織は違えどゼノク入居者から旧翳珠リーダーになってるし」
「確かに…」


「不思議なのは隊員のサポートや怪人由来の被害者支援してるのに、今までセクションがなかったことかな…。一時期、ゼルフェノア直属の『ノア』って怪人被害者支援組織に私は入ってたけど、ゴタゴタがあってほんの数年で解体しちゃったからな〜」
「そ、そうなの!?」
高槻は驚いてる。

「だから新体制になってから後方支援班が正式に出来たのは嬉しいよ。活動内容はほとんど同じなんだけどね。鼎の居場所が出来たから良かったと思うなぁ」


ゼノクメイン施設・多目的ホール。
そこには怪人由来の被害者6人がそれぞれ仮面やマスクをして集合していた。仮面の種類も様々で、フルフェイスタイプや目元だけ隠してる人もいる。さながらベネチアのカーニバル風味な多目的ホール。

鼎は緊張していた。
「『仮面の会』に集まって頂きありがとうございます。では早速、話を伺います。この機会はなかなかありません。存分に…話してくれませんか。何でも構いません」


「お前が紀柳院鼎なのか?」
男性の声。
「はい」
見るとそこには黒い仮面の若い男が。

「お前がいなかったら、俺達は希望がなかった…。活躍してくれてありがとよ。もう戦えない身体になったと聞いた時はショックだった…」
「あの、私…紀柳院さんに会いたくて来たんです…。この姿になってから人前に出るのが嫌だった。でも紀柳院さんのおかげで勇気が出ました」
若い女性だった。顔はわからないが同年代か?


『たたかえなくてもゼルフェノアにいるの?』
タブレットを鼎に見せた白い仮面の子供がいた。小学生の被害者はこの子なのか、母親と一緒にいる。よく見ると車椅子姿。低学年くらいの女の子。

母親は礼をした。
「この子は怪人にやられて足が不自由になったんです。ショックで声も出せなくなりました」
「…この仮面は?」鼎は慎重に聞く。
「見せられないくらいに顔に酷い怪我を負いました。彼女も遊びたいのに」

女の子はタブレットを再び見せる。鼎は女の子に寄り添うようにして優しく答えた。
「ゼルフェノアにいるよ。戦えなくても私の居場所がある。大丈夫だよ」
女の子はうなずいた。


それから約2時間ほど歓談?は続いた。影ながら鼎をサポートする桐谷と二階堂は不思議な空気に飲まれそうになる。

「これ、どこか主旨と違っているような…」
桐谷が何気に呟いた。
「でも6名とも似たような仲間と話し相手が出来てたし、本音では話せてはいたみたいですね…。たぶん。やっぱり皆、鼎さんが戦えなくなることにショック受けてたんだ…」

「あの女の子、声が出ればいいんですけど…。痛々しくて見てられなくて」
桐谷、しれっと本音を漏らす。
「仮面姿ということは余程かも…。家族以外の人前では仮面姿だってタブレットにありましたし」
「もう、怪人には出て欲しくないような」
「残党が面倒ですよ」


残党…。復活鐡撃破後、なぜか一部地域に強化態のみがちらほらと出現するという異常事態がひっそりと起きていた。
都市部ではなく地方で。


まだ完全に戦いが終わったわけではない。残党の中には擬態型もいるため、全ての駆逐は難しい。これが新生ゼルフェノアの課題だった。

擬態型怪人をどうやって見つけ、倒すのか?
擬態型は人間以外にも擬態しているらしい。これは調査中。


新生ゼルフェノアのリーダーとなった真治はこの件で悩んでいる。
真治はゼノク・隔離棟の父親の研究室に時折籠るようになった。父親の義手がマスターキーとなっていた、あの部屋だ。


真治にとって父親の義手は遺品でもあり、重要なものである。真治の父親・栄治の世話役の南は真治のサポートについていた。


集まりが終わり、鼎は力が抜けたらしくへたりこむ。


二階堂は優しく声を掛けた。

「初任務…お疲れ様。いや…後方支援班初仕事かな?鼎さん、よくやったよ。えらいえらい。後方支援班のゼノク絡みは私がサポートしますんで、そこのところはよろしくお願いします」
「二階堂…」
「残党の件もありますから油断出来ませんけどね」


地方にちらほら出現している強化態のことか…。それと擬態型…。



第3部相当突入しちゃった感じ?


平和が来て組織の日常的な風景を入れつつ、新体制の組織のなんやかんやがあってーみたいな。

暗雲が立ち込めそうなのは、怪人の残党。地方にちらほら出現しているらしい強化態と、地域関係なしに潜んでいる擬態型怪人。平和になったはずなのに、まだ完全には終わってなかったってやつかな…。