新型コロナワクチン、しぼむ市場予測…米国で追加接種伸び悩み

更新日2022/10/24
ロイター通信

[ニューヨーク ロイター]米国で新型コロナウイルスワクチンの追加接種が伸び悩んでいる。アナリストや投資家は、今後、年1回行われることになるであろう定期的な接種を受ける人は想定より少なく、インフルエンザワクチンを大幅に下回るのではないかと予測している。

複数のアナリストは、米ファイザーとそのパートナーである独ビオンテック、米モデルナ、同ノババックスといったワクチンメーカーがウォール街の収益予測を達成しようとするならば、価格を現在の3倍に引き上げなければならないと述べている。

インフルエンザワクチンの3分の1

ウォール街はかつて、新型コロナワクチンの2023年以降の接種回数を米国で年間1億6000万回以上、世界で6億回接種されているインフルエンザワクチンと同水準になると見積もっていた。ところが、新型コロナワクチンの追加接種キャンペーンが、特に重要な米国市場で鈍っており、その見方は変わりつつある。カイザー・ファミリー財団が最近行った世論調査では、米国成人の3分の2が新型コロナワクチンの追加接種をすぐに受ける予定がないことが明らかになった。アナリストは、米国の新型コロナワクチンの市場規模はインフルエンザワクチンの3分の1程度まで落ち込むと予測している。

米ニューヨークの医療機関グループ、ノースウェル・ヘルスで公衆衛生・疫学主任を務めるブルース・ファーバー博士は「人々は『パンデミックは終わった』と言っており、接種を受ける動機を失っている」と話す。